こんにちは、人事戦略コンサルタントの松本利明です。PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系大手のコンサルティング会社などで24年以上、人事と働き方の改革を行ってくる中で「おやっ!?」と思えることが実は多く発生してきました。
実は、世間で言われる「セオリー」の9割が間違っているのです。思ったような効果が出ないのは、計算ミスより計算式そのものが間違っているのです。うすうす、あなたも気づいているのではないでしょうか?
『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)をGW初日に上梓したのですが、転職サイトや転職エージェントが言わない、知らない「転職先の本当の見切り基準」について、あまり多くの相談のメールをいただいたので今回の記事で解説します。
アルムナイがない会社は社員を潰す
アルムナイとはalumnusの複数形で、本来は「卒業生、同窓生、校友」を指します。企業の場合、その企業の退職者の集まりを指します。退職者も定年退職者だけではなく、転職や家庭の事情等さまざまな理由による中途退職者も含まれたOB、OGの集まりです。
アルムナイの有無が何を意味するかというと、企業と退職者の関係が分かります。
アルムナイはその企業が主催して卒業生を集め、現役社員と一緒に集います。同期会のように有志の離職者だけで行う会とは異なります。ゆえに、企業が退職者をどう見ているか退職者も企業で働いた意味をどう捉えているか、真の労使関係が見えてきます。
企業が退職者を「裏切り者」と判断すればアルムナイは設定されません。退職した会社はもうコリゴリ、退職後は縁を切りたい、関わりたくない、過去に蓋をしたいなど、喧嘩別れ状態で退職した人ばかりだと、アルムナイを設定しても、誰も集まってきません。逆に、退職したけど、その会社で働けたことや働いた同僚とつながっていたいと思う気持ちが強ければアルムナイは自然と組成されていきます。どちらが勤めるべき会社かは分かるでしょう。