新元号は「令和」、出典は万葉集

首相官邸で新元号を発表する菅義偉官房長官(2019年4月1日撮影)。(c)AFP / Kazuhiro NOGI 〔AFPBB News

 間もなく「平成」が終わり、新元号「令和」の時代を迎えます。

 新しい時代は、われわれ日本人にとって、より希望の持てる時代になってほしいものです。果たして令和はどのような時代になっていくのでしょうか?

 私はこれまでの歴史の変動と照らし合わせ、来るべき近未来を予測してみました。すると令和の初頭は、残念ながら、日本人にとって相当厳しい時代になるのではないかと思われてくるのです。

10年周期でやってきた経済ショックと政治改革

 私は「令和」の時代を占うにあたって、景気や経済、国力が変動する3つの周期を過去に当てはめて考察してみました。こうした周期論にはさまざまなタームのものがありますが、私が注目したのが「10年周期」、「40年周期」、そして「1000年単位での見方」です。

 1つ目の10年周期ですが、これを最近の日本に当てはめて分析してみると、80年代、90年代、2000年代は非常に似たパターンを示していることが分かります。各年代の末期に経済ショックと政治変革がセットで来るのです。

 80年代終盤、バブル景気が崩壊しました。大きな経済的ショックに襲われると、人々の心に「政治的にこのままでいいのか」という疑念が強まってきます。それはこの時も同様で、バブル崩壊の少し後、熊本県知事だった細川護熙さんが作った日本新党のブームが日本中を席巻します。そして、あれよあれよという間に、1993年、非自民の連立政権である細川内閣が成立します。国民は38年ぶりの非自民党政権に、「抜本的な政治改革をしてくれるのではないか」と期待しましたが、結局、細川内閣にしても、続く羽田内閣にしても、本質的な改革はさほど進められずに幕を閉じました。

 それから約10年後、90年代の終わりになると、山一證券、日本長期信用銀行、北海道拓殖銀行といった大手金融機関がバタバタと経営破たんに追い込まれる事態に私たちは直面しました。危機の高まりに合わせて、いわゆるメガバンクの再編が始まったのもこの頃からです。このときに政界で巻き起こったのが、小泉純一郎さんを主役とする「小泉ブーム」です。

 小泉さんはそれまでにも総裁選に何度か名乗りを上げていましたが、いわば「泡沫候補」で、この時も小泉さんが総理大臣になると本気で思っていた人は少数派でした。その小泉さんが「自民党をぶっ壊す」と宣言して総裁選を戦ううちに、ぐんぐん支持を集め、総理経験があり、最大派閥の平成研究会(旧経世会)会長だった橋本龍太郎さんに勝利するという信じられない大番狂わせを起こし、2001年に総理大臣の座をつかんだのです。

 ただ、その小泉さんでも、最優先課題だった「郵政民営化」こそ実現しましたが、日本の本質的、構造的な改革が出来たかと言えば、出来なかったように思います。