大阪ダブル選挙の投票結果を受けて会見をする、大阪維新の会代表・松井一郎(左)と、吉村洋文政調会長(右)。大阪維新の会本部にて(2019年4月7日、写真:アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 注目を集めたのは、大阪府知事と大阪市長のダブル選挙、あとはせいぜい北海道知事選だけ。それ以外は、さしたる盛り上がりを見せなかった統一地方選挙の前半戦が終わった。

 その何よりの証明が、低い投票率である。おそらく前回より増えているのは、大阪知事選と市長選ぐらいのものだろう。正式発表ではないが、11道府県知事選の平均は、4年前に続いて50%を下回る可能性が高い。もちろん過去最低である。41道府県議選も同様の傾向にあり、4年前の45.05%を下回りそうである。政令市長選、市議選も同様である。

 無投票当選の多さも過去最多である。全国で612人が無投票で当選した。無投票当選者の割合が最も高かったのが岐阜県で、定員46のうち48%に当たる22人が無投票当選だった。

 もはや多くの有権者にとって、関心の埒外にあるのが地方自治体の選挙、ということなのかもしれない。それも分かる気がする。私は埼玉県川越市に住んでいる。定員が4人で5人が立候補していたが、誰一人会ったことも、話を聞いたことも、政見を聞いたこともない。現職が4年間どんな活動をしてきたかも、まったく知らない。これでは関心の持ちようがないのである。

 川越市の場合は、35.53%の投票率だった。約65%が選挙に不参加なのである。これで果たして当選者は“正当な代表”と言えるのだろうか。選挙が形骸化していると言わざるを得ないだろう。

無所属当選者が増加した背景

 もう1つ、今度の選挙の特徴は、無所属当選者が多いことである。今回選挙が行われた41道府県議選で、実に34道県で無所属の当選者が増加している。長野県では21人から26人に増えて第一党の自民党を追い抜いた。兵庫県も26人から27人に増え、第一党の自民党と並んでいる。