経団連が2021年度から就活ルール廃止を発表したことで、今後の企業の新卒採用のあり方も大きく変わっていくと予想されている。
そんな中、第1回ではP&Gジャパンやパナソニックなどの大手企業が、大学1、2年生向けにグローバルで活躍できる力を養成するための教育に動き始めたと紹介した。
企業側は「採用とは関係ない」としているが、早期に優秀な学生に目星をつけコンタクトを取りたいという思惑は透けて見える。
こうした企業の動きを大学側はどのように見ているのか。
教育社会学が専門で学歴とキャリアの関係等の研究を手がける東京大学・高大接続開発研究開発センター、濱中淳子教授は、こう語る。
「2011年に大学でのキャリア教育が義務化されてから、実業界の方が大学で指導に当たるようになるなど、大学と企業の関係は近接しています」
「企業が学生の教育を始めたのも、大きく見ればそうした活動の一環と見ていいのではないでしょうか」
かつては企業と大学の間に溝もあったが、今ではかなりその距離を縮めているという。
「学内でできない体験を企業がコストをかけて学生に提供してくれることは、大学側も歓迎すべきことだと思います」