5.資金調達や投資・・・様々なプロジェクトでの活用

不動産クラウドファンディング

 いまや市民権を得たといえるクラウドファンディング。少額なものから高額なものまで、資金調達のプラットフォームとして活用されている。

 実は、このクラウドファンディングも不動産業界では大きな注目を浴びている。一見、なじまないように見える不動産とクラウドファンディング、果たしてどのようなサービスが、活用されようとしているのだろう?

「不動産クラウドファンディングとは、インターネットを活用して不特定多数の人から資金調達を行い、不動産プロジェクトへ投資するプラットフォームサービスです。一般の個人投資家が、数万円レベルの小額から投資が可能となっており、新たな不動産投資機会を創出しています。プラットフォーム上では、数千万円から数億円の資金が集まり、多いものでは2桁億円の資金が集まるプロジェクトもあります」

 信じられない規模であるが、どんな企業が行っているのか。

「代表的なのは、ロードスターキャピタル社の『OwnersBook(オーナーズブック)』、クラウドリアルティ社の『Crowd Realty(クラウドリアルティ)』などがあります。OwnersBookがマンションやオフィスビル・商業ビルのプロジェクトを募集しているのに対して、クラウドリアルティは京町家再生プロジェクトという京町家の取得および宿泊施設へのリノベーションを行うプロジェクトや、渋谷区上原保育園プロジェクトなど珍しいプロジェクトを扱っているのが特徴です」(川戸氏)

 不動産クラウドファンディングにおいては、資金の調達にとどまらず、不動産投資、商業施設のプロジェクト、地域再生やリノベーションという分野まで広がりを見せている。

 不動産=高額というイメージが一気に取っ払われる可能性もある。

 こうして見ていくと、「不動産テック」はいずれも既存のイメージを大きく変えることで、我々に新たなサービスを提供し、一方でビジネスチャンスを提供しているといえる。これからの課題はどこにあるのか。

 順風満帆に見える不動産テックの未来だが、いくつかの問題点もあると川戸氏は言う。とくに日本国内においての課題について後編でご紹介する。