4.空いているスペースはすべてオンライン上で有効活用

川戸温志。大手システムインテグレーターを経て、2008年より現職。経営学修士(専門職)。IT業界の経験に裏打ちされた視点と、経営の視点の両面から、ITやテクロノジーを軸とした中長期の成長戦略立案・事業戦略立案や新規ビジネス開発、アライアンス支援を得意とする。金融・通信・不動産・物流・エネルギー・ホテルなどの幅広い業界を守備範囲とし、近年は特に不動産テック等のTech系ビジネスやビッグデータ、AI、ロボットなど最新テクノロジー分野に関わるテーマを中心に手掛ける。2018年より一般社団法人不動産テック協会の顧問も務める。

スペースシェアリング

「スペースシェアリング」とは、短期〜中長期で空き不動産や空きスペースを貸し出し、オンライン上で貸し手と借り手のマッチングや決済を行うサービスのこと。

「空きスペースを有効活用し、遊休資産をシェアすることで新たな事業機会を創出します。代表的なものに、スペースマーケット社の『スペースマーケット』や、スペイシー社の『Spacee(スペイシー)』軒先社の『軒先ビジネス』があります。貸し出す空きスペースとしては、オフィスや会議室、パーティールーム、商業ビルの催事場などが一般的ですが、最近ではトレーニングジムやフィットネススペース、楽器演奏やダンス用のスタジオ、映画館や無人島までバリエーションも豊富です。他にもAkippa社の『Akippa(アキッパ)』、軒先社の『軒先パーキング』のような個人が所有する空き駐車場を貸し借りする、駐車場のシェアリングサービスも広がっています」(川戸氏)。

 あらゆるスペースがオンライン上でマッチングでき、有効活用できるわけだ。利用する側のメリットだけでなく、ビジネスチャンスとしても大きな可能性を秘める。このあたりが、不動産テックが現在注目されている大きな理由である。