ただ、現時点では、ネットフリックスとアマゾンのサービスには大きな差がある。
ネットフリックスは、ネットで注文を受け付けて郵送でDVDを届けるという定額制のレンタルサービスを手がけているが、このサービスと、最近始めたストリーミング配信を合わせるとその会員数は2000万人になる。これに対してアマゾンプライムの会員数は約5万人だ。
またネットフリックスが用意しているDVD作品は10万本、ストリーミング配信のタイトル数は2万本。アマゾンのタイトルは今のところ旧作が中心で、ネットフリックスの方が品揃えが充実している。
広がる選択肢に消費者が混乱
映画やテレビ番組のネット配信サービスはネットフリックスやアマゾンに限らず、テクノロジー企業も続々参入している。例えば米アップルが昨年9月にレンタルサービスを開始したほか、米マイクロソフトやソニーもこの市場に参入しており、競争は激化している。
そうした中、テレビ局などのメディア企業はこの状況を喜ばしくは思っていないとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。ネットフリックスのような定額で見放題のサブスクリプションサービスがコンテンツ価格の下落を招き、同時にケーブルテレビや衛星テレビを脅かす。メディア企業に年間300億ドルの収益をもたらす事業が危険にさらされると危惧しているという。
その一方で消費者には選択肢が増え、どれを選べばよいか混乱が生じていると米ニューヨーク・タイムズは報じている。
映画を観るには、衛星テレビがよいのか、あるいはネットフリックスが便利なのか、それともマイクロソフトやソニーのオンラインサービスを利用するのか、はたまた昔のように DVDプレーヤーやブルーディスクプレーヤーが操作しやすくてよいのか、選択肢があまりにも多く、消費者を悩ましていると記事は伝えている。
