州内の学生の学費は年間1万4451ドル(約173万円)、これに比べ州外、海外からの学生の学費は年間4万2465ドル(約475万円)と約3倍。大学経営資金という面では外国人留学生は「金の卵」だった。

 中国人学生のサンタバーバラ行きが激増した理由は、学生側にもあった。1つには「カリフォルニア大学」は中国でも「世界有数の名門校」として認められていた。

 しかも「カリフォルニア大学サンタバーバラ校」に入学許可されるためのTOEFLの合格点数が80。バークレイ(90)やUCLA(87)に比べ低くかった。

 中国人学生にとってはサンタバーバラ校は「穴場」だった。

「遊学貴族」は中国共産党幹部と
「クレイジー・リッチ」の子女たち

 その結果、中国人学生が同大学に殺到したのだが、「ロサンゼルス・タイムズ」の見出しの通り、「2つの異なるレベル」の学生が入ってきたのだ。

 中国共産党幹部や共産党独裁下で巨万の富を得た富裕層の子女。方や「一人っ子」政策の下で生まれた中産階級層の才能のある子女。

 冒頭の写真に出てくる高級車を乗り回し、授業ではカンニングと「論文盗作」を繰り返し、暇さえあれば麻雀を楽しむ「遊学貴族」の大半は、前者だという。

 まさに今年ヒットしたハリウッド映画「クレイジー・リッチ」*1に出てくる中国人の超富裕層のボンボンやお嬢様たちなのだ。

*1=2018年公開のジョン・M・チュウ監督のロマンティック・コメディ映画「Crazy Rich Asians」(原題)。原作はケビン・クワン。シンガポールに住む華僑の億万長者の華麗な生活をコミカルに描いている。