アマゾンと言えば、成長戦略をとことん追求する企業として知られている。収益性の追求は二の次で、当面の利益を度外視してでも、顧客基盤の拡大を図るという企業である。
eコマースで採算性を厳しくチェック
しかし、ここ最近の同社は、採算性を厳しくチェックするようになったとウォールストリート・ジャーナルやビジネス・インサイダーなどの米メディアが伝えている。
アマゾンは社内で、採算が取れない商品を「CRaP(Can’t Realize a Profit)」と呼び、取り扱いを中止したり、パッケージ内容を変更するようメーカーに要請したり、配送をメーカーに依頼したりしているという。
ボトル入り飲料やスナック菓子などは、重量が重かったり、かさばったりするため、配送コストがかさむ。にもかかわらず、低価格。これらがアマゾンの言う「CRaP」だという。
より大きなパッケージ、より高価格で販売
アマゾンは、「Dash Button(ボタンを1回押すだけで注文が行える小型機器)」で、コカ・コーラのボトル入り飲料水を購入できるようにしている。同社はこれまで、この商品の6本入りパックを6.99ドルで販売していた。しかし今年(2018年)の夏から、24本入りを37.20ドルで販売するようになった。
つまり、パッケージ内容を変更し、単価をそれまでの約1.17ドルから1.55ドルに引き上げた。しかも、アマゾンはコカ・コーラに対し、直接顧客宅に配送するよう要請したとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。