2つ目は、世界に影響を与えることができるということです。これは企業活動だけでなく、政治の面から社会の変革にも寄与できるということです。また、クライアントの問題解決を行うことにより影響を与えることができます。病院、大学、政府、あるいは公的機関の従事者に対してコンサルティングを行うとします。行うことで、これにより、彼らの生産性が向上し、より仕事が迅速化する。市民からのアクセスが改善して、変革を遂げることができる。これにより、結果として、市民に対しても進化をもたらすことができます。
以上の生涯を通じた学習であるということと、世界に対してインパクトを与えることができるというのは、2つの大きな資産だと思っています。創立から51年たって、改めて振り返ってみても、世界を変える影響を与えてきたという自負はあります。
――会社を成長させるために、どのようなことを考えてきたのでしょうか。
ベルガー 当初、私たちは欧州で事業をするにあたり、米国系の競合相手にはない私達の強み、違いを分かりやすく明確に示す必要がありました。ですので、USP(ユニーク・セリング・プロポジション)、お客さまにとって有益な差別化ポイントというのを、3つ考えました。
当時のほとんどの競争相手は、コスト削減や組織のリストラ、新しい組織の設計、プロセスの設計に注力していました。そこで、私たちはUSPの1つ目として、トップのマネジメント戦略に集中することを掲げました。
2つ目としては、プレゼンをアウトプットとして提出することだけではなく、実践をする、導入をするというところに力を入れてきました。ほとんどの競合他社はさまざまな分析を行って「こういうことですね」と、プレゼンを行いプロジェクトを終了する、ということが多かったのですが、私自身が起業家ですので、実践しないと意味がないということを分かっていました。
3つ目として、私たちは常にクリエイティブで革新的な提案をするよう心がけています。我々に求められているのは、従来型のコンサルタントのような「コストが高すぎますので下げましょう」という提案ではなく、ルールを覆すような戦略や、組織あるいは問題に対して革新的なソリューションを生みだすことだと考えています。
このような3つのUSPを提示することによって、私たちがこれだけの急成長を遂げることができたのだと思います。単に他の人たちと同じことをしているだけでは、わざわざ我々を雇う意味がありません。このように戦略が作れて、その戦略の導入ができる、そしてルールを壊すようなアイデアや戦略を立案できるというのが、私たちが選ばれる理由であり、その考え方は今でもまだ有効だと思っています。