大学院情報学環というものを設立して着任した大学人として申しますが、私たちITに関わる人間にとって「ゲートウェイ」とはコンピュータ―のネットワークを、プロトコルの異なるネットワークと接続するノードを意味します。

 日本語のカタカナ英語として定着している例を調べてみると、グーグルなどの検索エンジンで見る限り、上記の意味以外をほぼ見出すことができません。

 例外としては、ホテルの名称など固有名詞がある程度。日本語のカタカナとして「ゲートウェイ」という一般呼称が定着しているとは、まず言えないと判断して構わないでしょう。

 一方、横文字で「gateway」を引くと

1 可算名詞 (塀・生け垣の木戸のついた)出入り口.
2 [the gateway] 〔…へ通じる〕入り口,道 〔to〕.
3 The gateway to success(成功への道).

(weblio英和辞典) 

 などと出てきます。これらから安全に結論できることは「高輪」という地名と「ゲートウェイ」というカタカナを組み合わせる確率が極めて低いという判断です。ネットの情報資源から推定演算などすることも可能です。

 ネット上には

 「1位:高輪(8398件)がダメで、130位:高輪ゲートウェイ(36票)が通るのなら、何のために公募しているのか解らない」

 という意見がありました。私が不勉強なだけかもしれませんが、「高輪」と「ゲートウェイ」という、全く隔絶した2概念を合体させた名称が、たかだか6万の母集団の中で36通もあったというのは驚きです。

 全く作為がないとすれば天文学的に珍しい偶然ということになりそうです。というより、一般には不可能な現象と言った方が早いと思います。

 「高輪」と「ゲートウェイ」が出会う確率は「中央」と「フリーウェイ」が出会うよりも低く、荒井由美の作詞能力よりも稀な現象と言うべきで、こんな少数母集団で偶然に36通もあるわけがないと思うのは、私だけでしょうか?

 「中央」は「高速」ですから、まだフリーウェイと出会う可能性があるでしょう。高輪にはそんなものはないと思うのですが。