中国では、AIが戦争を情報化戦(informatized warfare)から知能化戦(intelligentized warfare)へシフトさせると確信している。

 中央軍事委員会の連合参謀部は軍に対して、指揮官の指揮統制能力を向上させるためにAIを使うように指導している。

 AIはまた、ウォーゲーム、シミュレーション、訓練・演習を向上させるだろう。これは、実戦経験のない人民解放軍にとって非常に重要な意味を持つ。

 AIは、軍事の専門分野や機能を人に代わり担当することが可能になるであろう。

 AIが仮想現実の技術と合体して、人民解放軍の訓練をより現実的・実戦的なものにすることが期待されている。

 いずれにせよ、AIは、軍事における指揮官の状況判断、幕僚活動、部隊の運用、訓練などを大きく変え、今後何十年後には戦いの様相を大きく変貌させていくであろう。

 AIの軍事利用は既に始まっていて、各種対空ミサイルシステムの自動目標追随と目標の決定、重要な兵器の欠陥の予測、サイバー戦への適用などAIの適用分野は軍事の大部分にわたる。

●情報化から知能化へ

 中国の情報革命は、3段階の発展を経て実現する。つまり、デジタル化(数字化)、ネットワーク化(网络化)、知能化である。

 中国は、情報化のためにITを活用し、戦いにおいて情報を活用する能力を向上してきた。

 また、ITをプラットフォーム(戦闘機、海軍艦艇など)やシステムに導入し、結果としてC4ISR(指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・監視・偵察)の統合を図ってきた。