これは単位の不正取得そのもので、安堂信也教員は、現在であれば何らかの処分を免れません。
不正に取得した単位で卒業したと称している本人の卒業証書は当然返納、卒業資格は剥奪が妥当な内容でしょう。
それほど重要なことを、あろうことか学位を詐取した大学でぬけぬけと開き直って喋っている。
これは、「37年ぶりに」犯行現場に再び現れた犯人の心理なのだろうと理解できました。
一番いけないのは「ラシーヌの講義」で「ラシーヌなんて、1行も読んだことなかったけど」と悪びれず言っている部分でしょう。
「ラシーヌなんて 」
こんな日本語が、大学文学部の名とともに公式の記者会見で口にされること自体、相当なことだと、世間はしっかり目を見開くべきなのではないでしょうか?
かなり恥ずかしい事態です。
「いいんだよ、医学部とかエンジニアだったら違うけど、文学部なんだから・・・」と言う人がいるとすれば、それは文学という学術を侮辱、愚弄するだけのことです。
後発先進国日本における文学受容、歴史や哲学への軽視ないしは微妙な嘲笑まで、率直に感じることがあります。
そういう情けない軽佻浮薄の開き直りにすぎないわけで、21世紀のグローバル社会で、現実には、文学も、歴史も、哲学も、本当にトップの大学では厳密に水準を問われる学術にほかなりません。
米コロンビア大学でも英オックスフォード大学でも、同じことを言ったり開き直ったりすることを考えてみてください。率直に申して、かなり情けない、恥ずかしい話です。
村上記者会見は、そういう羞恥の観念が全く欠如した、お寒い島国の本音をさらに披瀝し続けます。