米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がこのほどまとめたレポートによると、米アマゾン・ドットコムの年間研究開発(R&D)費は、226億ドル(2兆5600億円)となり、世界上場企業1000社の研究開発費ランキングで、2年連続トップとなった。
テクノロジー企業の研究開発費は全体の4割
アマゾンに次いだのは、米アルファベット(グーグル)。このあと、ドイツ・フォルクスワーゲン、韓国サムスン電子、米インテル、米マイクロソフト、米アップルと続いた。日本企業のトップはトヨタ自動車で、全体の11位。ホンダがこれに次ぎ、全体の18位だった。
ランキングでは、テクノロジー企業が上位を占めている。テクノロジー企業の金額は1000社合計の約4割を占めており、最も研究開発費が多い産業だとPwCは報告している。
中国の研究開発費が年々増加
ランキングの上位には米企業が目立つが、費用が最も上昇したのは中国だった。中国企業の前年比伸び率は34%。欧州も同14%増と2桁の増加。一方で、日本(同9.3%増)と北米(同7.8%増)は1桁の増加にとどまった。
このうち中国企業の研究開発費は610億ドルで、米企業の5分の1以下。しかしこの話題を伝えている米ウォールストリート・ジャーナルによると、中国の研究開発費は年々増加傾向にある。中国の金額は、2010年時点で、わずか70億ドルだった。今では上位1000社の中に中国企業は145社ある。この数は10年前、14社だった。
かつて、中国企業の技術革新に対するアプローチは、独創的な研究よりも、既存技術の応用に重点が置かれていた。しかし、昨今はAI(人工知能)、5G通信技術、自動運転車といった分野で自国の技術革新が求められるようになり、中国の企業は研究開発費を増やしていると、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。