このランキングの中国企業を見ると、最上位は、電子商取引大手アリババ・グループ(阿里巴巴集団)で、全体の45位。ソーシャルネットワーキングやビデオゲームのテンセント・ホールディングス(騰訊控股)は、同59位。検索のバイドゥ(百度)は同78位。

「BAT」と呼ばれるこれら中国のテクノロジー大手の研究開発費は、日産自動車(37位)、ソニー(38位)、パナソニック(39位)、デンソー(40位)よりも少ない。

 ただ、このランキングは、世界の上場企業を対象にしたもので、中国の国有系企業や非上場企業は含まない。ウォールストリート・ジャーナルによると、非上場企業である通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は昨年、130億ドル以上の研究開発費を投じた。もしファーウェイがランキングの対象に入っていれば、同社は上位5社あたりに位置していたのかもしれない。

各社に共通する重点分野はAI

 では、これらテクノロジー企業は、いったいどのようなものに費用を投じているのだろうか。これについて、ウォールストリート・ジャーナルが次のように伝えている。

 アマゾンは、物流施設内の作業ロボット、商品配達用のドローン、AIアシスタント「Alexa」関連のハードウエア製品、AR(augmented reality、拡張現実)など、多岐にわたる事業展開で、巨額の研究開発投資が必要。

 アルファベットは、AIをはじめとするエンジニアリング分野の人材・組織戦略に多額を投じている。テンセントも同様に、AI研究の施設開設や、人材確保に費用を投じている。アリババは先ごろ、自動運転車やスマートシティーに使われるAI半導体を開発するための事業部門を立ち上げることを明らかにした。いずれの企業も重点分野をAIと見定め、次世代事業に向けた投資を行っているようだ。

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