オレ流を貫き通すことでは4人とトランプ氏は同じ

 トランプ大統領は口癖のように言う。

 「私はこれまでの歴代大統領が成し遂げられなかったことをすることだ」

 そこにあるのは本書が取り上げた4人の大統領と共通するオレ流の決意だ。反対するなら勝手にしろ。妥協はない。俺はオレ流で内政外交を貫徹する。逆らう人間は排除するだけだ。

 ここまで読み進んでいくと、トランプ大統領と4人とは確固たるオレ流の決意を持って突き進むという点で似ているように思えてくる。

 違いがあるとすれば、トランプ氏には、4人の大統領が体験した挫折というものがない(あるいは挫折したとしてもそれを頑なに認めようとしない)点だ。

 4人はそのトラウマを原動力に大仕事をしてきた。ここが大きく違う。

 万一、中間選挙でトランプ共和党が大負けしたら、それはトランプ氏にとって挫折となり、それが原動力となって、心機一転、大変身して、「偉大なリーダーシップ」を発揮する大統領に生まれ変わるのだろうか。

 前述のA君は、「トランプ氏に限ってそんなことは絶対あり得ないさ」と吐き捨てるように言っている。