米国防総省のサイトに弱点138か所、バグ発見の報奨制度で判明

米首都ワシントンD.C.にある国防総省のビル(資料写真)。(c)AFP/STAFF〔AFPBB News

 アメリカ国防総省が毎年8月中旬に公表する『中国軍事レポート』が、今年(2018年)も8月16日に公表された。

 このレポートには、中国の安全保障・軍事戦略の概要や中国軍事力の現況(2018年版の場合は2017年末までの状況)、それにアメリカ国防当局の対中姿勢などが簡潔に記述されることになっている。また、毎年公表される定型的な報告内容以外にも、アメリカ国防当局が特に触れておきたい事項に関して特別の章を設けたり、囲み記事を挿入することにより、中国軍事力の脅威に対する警鐘を鳴らしている。

不思議な日本メディアの無反応

 今年のレポート(以下、『中国軍事レポート:2018』)では、中国人民解放軍の戦力、とりわけ海洋戦力や宇宙・サイバー戦力が着実に強化されつつある状況に加えて、特別の章を5つ付加して様々な角度から中国軍事力の強化状況に関して警戒を喚起している(本レポートで指摘されている中国の軍事的脅威のうち日本に直接関係するものに関しては、追って本コラムで取り上げたい)。

 これに対して中国政府は、「ペンタゴンのレポートは無闇に中国脅威論をまき散らすもので、断じて容認できない」と強く反発している。中国当局による反発は、いわば毎年の恒例行事のようなものであるが、不思議なのは日本のメディアである。なぜならば、今年のレポートには、日本のメディアが飛びつくことが常となっている「アメリカ当局の尖閣問題に対する基本姿勢」が明示されているにもかかわらず、それを取り上げていないからである。

『中国軍事レポート:2018』における、中国による周辺諸国との領域紛争に関する部分では、当然ながら尖閣諸島を巡る領域紛争が記述され、アメリカの次のような立場が明記されている。