南シナ海に面する台湾・高雄港。高雄市は東沙諸島と南沙諸島を管轄している(資料写真)

 台湾政府は、南シナ海の大半で中国が圧倒的に優勢な状況をつくり出している状況に対抗して、南シナ海の東沙諸島と南沙諸島で非軍事的な反撃に取りかかった。

 すなわち、台湾が施政権を維持している東沙諸島の「東沙島」の研究施設を充実させると同時に、南沙諸島の「太平島」では気象観測施設を充実させようというのである。太平島は、中国が軍事的支配権を確立させつつある南沙諸島のど真ん中にありながら、台湾が実効支配を堅持している島である。

東沙島:科学研究施設をさらに充実

 南シナ海の北部に位置する東沙諸島は第2次世界大戦終結後に中華民国領となり、現在に至るまで台湾政府が施政権を維持している(下の図)。これに対して、台湾そのものが中華人民共和国の一部であるとしている中国政府にとっては、当然のことながら東沙諸島も中国領である。ただし、軍事的な緊張が高まるような領有権紛争は生じていない。