なぜ、SUVは突然成長が鈍化したのでしょうか。筆者は、SUV市場の飽和に加え、単純にブーム沈静化により消費者の購買熱が下がってきていることが原因だとみています。年々成長が鈍化してきていることに加え、各メディアの取り上げ方をみても、中国消費者のSUVに対する見方が以前と比べると冷めてきているように思われます。従って、SUVは今後も成長鈍化、場合によってはマイナス成長が続くのではないでしょうか。

 この市場の変化は、すでにメーカーに直接的な影響を及ぼしています。これまでSUVブームに乗り、急成長を遂げていた民族ブランドの長城汽車でしたが、2018年上半期販売台数は前年同期比2.34%増の47.1万台と微増にとどまり、6月単月に至っては3.54%減の6.2万台とマイナスに落ち込みました。中国メーカーも日本メーカーも、今後もSUVへの依存が強いメーカーほどラインナップの底力が試されることとなるでしょう。

新エネ車は倍々成長も支援策が厳格化

 最後に、中国が世界をリードしている新エネルギー車(新エネ車)市場を取り上げます。

 2018年上半期における中国新エネ車の販売台数は前年同期比111.6%増の41.2万台となり、このうち電気自動車(EV)は同96%増の31.3万台、プラグインハイブリッド車(PHV)は同181.6%増の9.9万台でした。

 上のグラフは新エネルギー乗用車に限った販売台数推移をまとめたものです。中国政府の積極的な支援策も相まって、3~5月にかけては前年同月比成長率が毎月100%超という倍々成長が続くなど、相変わらずの活況ぶりを見せています(1月は販売台数が少ないにもかかわらず前年比が突出しているのは、2017年は春節の休暇が1月だったのに対し2018年は2月だったからです)。

 ただ6月に入り、伸び幅は69.8%と急激に鈍化しました。これは、政府が政策転換したことが大きく影響しています。

 中国政府は今年2月、新エネ車に対する新たな支援策を公布しました。同新政策では、補助金支給条件がこれまでよりも厳格化されました。具体的には、基準を満たさない低性能な新エネ車に対しては補助金をゼロとし、逆に高性能な新エネ車にはこれまで以上の補助金を支給するなど、連続航続距離や車載電池性能を厳しく審査するようになりました。