世界初の巨大ドローン展示、大連

大連夏季ダボスフォーラムで展示された巨大ドローン。ドローンなどの新技術の台頭によって、国防に必要な装備も大きく変化している(2017年6月28日撮影、資料写真)。(c)CNS/于海洋〔AFPBB News

 7月27日、防衛省は陸上自衛隊の次期「装輪装甲車」の開発中止を発表した。

 本稿では、まず陸自が断念を発表した背景を説明し、その上でそもそもこの種の装備自体が日本の戦略と戦略・作戦環境からして無用の長物であり、税金の無駄でしかないことを指摘したい。

新型装輪装甲車が“欠陥品”扱いされた理由

 陸自が次期装輪装甲車の開発を中止した理由は、開発を請け負った小松製作所(以下「コマツ」)が脆弱な防弾装甲しか作れなかったというのが公式の説明である(参考:コマツのプレスリリース「防衛省開発事業 装輪装甲車(改)試作研究事業中止に関するお知らせ」)。

開発が中止になった次期装輪装甲車(出所:Wikipedia

 実は、かねてより陸自内部ではこの装輪装甲車はポンコツ扱いされ、率直に言えば悪評ふんぷんであった。