この共通した成功ポイントを組み合わせ、成功の方程式に組み上げていくのです。ピッチャーであれば「バッターのタイミングを外す」という成功ポイントをもとに、後はそれぞれのピッチャーが自分の特徴を活かして打ち手を考えればいいのと同じことです。

うまくいっていることの裏側を探る

 うまくいっているのはただ真面目に一生懸命に物事を進めるだけではありません。もしそれが成功ポイントなら一番手間暇時間をかけて努力した人が一番になるはずですが、現実は違います。「力の入れ所」と「抜き所」が存在します。

 そこで、うまくいっている打ち手から逆算して考えていく「逆の視点」を持つとその成功ポイントが見えやすくなります。これが3つ目のコツです。

 例えば日本コカ・コーラは自動販売機を日本で一番多く設置している企業ですが、まだ増やし続けているのはなぜでしょうか? 「喉が渇いた消費者の一番身近にある」ということは誰でも思いつくでしょう。CMなどを通しブランド力をあげても喉が渇いた消費者の目の前になければ手に取っていただける可能性が落ちます。ここまで誰でも思いつくでしょう。ただそれだけでしょうか?

 日本コカ・コーラは製造から物流なまで全ての工程を自社で行っています。ですから、コンビニなどに卸すより、自販機で直売の方が利益率は高そう、ということが仮説として見えてきます。

 このように、うまくいっている打ち手を逆から2段階以上深めてみると隠れていた成功ポイントがくっきり浮き出てきます。「業務の効率化」「働き方改革」の取り組みの中でも、トライしてみることをお勧めします。