こんにちは、人事・戦略コンサルタントの松本利明です。
前回(「ありふれたキャリア」から価値を見出す唯一のコツ」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53480)は、転職でキャリアアップを目指すアラフォー以上の方を念頭に、自己PRでは職務経歴を羅列するのではなく、「ありがとう」の声をもとに、自分の持ち味を「売り」に変える視点と方法を解説しました。
今回は、その売りを正しく周りに広めていく方法、正しいパーソナルブランドに繋がる「大人の自己PR」の方法を解説します。
どんなに声高々に自己PRしても、それが周囲に正しく伝わらなければ独り言と同じです。自分の持ち味を正しく周りに伝えて、その認知が高まらなければ、あなたのパーソナルブランドは確立しません。パーソナルブランドは相手が正しく認めてくれない限り成り立たないからです。
ただ、この「自己PR」という言葉が意外に曲者です。
就活の時に経験した方も多いかもしれませんが、自己PRでは「自分をアピールしなくては」という心理が働いてしまいます。そうなると、ついつい具体性に欠ける、なんとなくポジティブそうな言葉の羅列に終始する結果になりがちなのです。
「あなたにどう役立てるか」を話す
転職活動でも同じような感覚で、「上司や部下から信頼され、やる気もあり、最後まで逃げずに・・・」など、力が入れば入るほど抽象的な言葉や形容詞のオンパレードになってしまうことが多いのが実態です。抽象的な言葉や形容詞は比較が難しい上、主観的な表現になるので、効果的な自己PRにはなりません。
これでは昔懐かしい「ねるとんパーティー」の告白タイムに玉砕覚悟で告白するのと一緒です。つまり、初対面で信頼関係ができていない段階なのに「私ってこんなに可愛くて、美人で、スタイルよくて、性格よくって・・・」とPRしているようなもの。誰だって初対面の相手にこのようなこと言われたら引いてしまいます。ねるとんパーティーならご愛敬で済みますが、ビジネスの場で、パーソナルブランドに繋がる自己PRが玉砕覚悟では困ります。