KGBのスパイも通った最高級レストラン、モスクワで再開

ロシアの中小企業は製造業が少なく、飲食店など小売りが圧倒って気に多い。写真はロシアの首都モスクワで営業を再開したレストラン「アラグビ」(2016年4月13日撮影)。(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV〔AFPBB News

 日露の経済交流、ビジネス関係といえば、昨今では「8項目の協力」がその基盤なっている。

 医療・健康、都市環境、エネルギー、極東などとともに、中小企業がキーワードの一つになっていることはご存じだろうか。

 日本の中小企業が新たな市場としてのロシアに参入するとの意味合いもあるが、ロシア政府が進めるロシアの中小企業育成を、日露両国間の経済交流の新たな柱にしていくとの意味合いもある。

中小企業育成が喫緊の課題

 自国の経済を資源輸出に過度に依存しない構造にしていく、そのためには国内産業の育成を図り、付加価値のある国産品を輸出する――これがロシア政府の思い描く経済・産業政策の姿である。

 ウラジーミル・プーチン大統領は2016年12月、さらには今年3月にも大統領年次教書の中で、「中小企業の育成」「非資源分野の輸出拡大」を強く訴えている。

 中小企業の発展を今後のロシア経済を底支えするものとし、発展の礎とすることを喫緊の課題としているのだ。

 ロシアは諸外国の経済モデルをよく研究している。日本をはじめとする先進国では、中小企業が経済の重要な部分を占めることもよく理解している。

 それゆえ中小企業の育成に熱心に取り組み、中小企業向けの支援策の構築や事業環境改善に注力している。

 ロシア政府は2016年6月、「2030年までの中小企業発展戦略(以下「戦略」)」を策定した。その中には、ロシアの中小企業が置かれる現状と課題が率直に指摘されている。