米ヤフーが2010年10~12月期の決算を発表した。コスト削減が奏功して純利益が3億1200万ドルとなり、1年前から倍増した。
1株利益は0.24ドルで市場の予想を上回り、営業利益は2億2200万ドルで85%増となった。
しかし、提携先に支払う手数料を除いた実質売上高は12億500万ドルで、1年前から4%減少している。売り上げが減ったのは米マイクロソフトとの検索事業提携による収益分配が発生したからだ。
同社はマイクロソフトとの10年間の提携で、検索エンジンを委託している。これにより、ヤフーとその関連サイトから得た検索収益の12%をマイクロソフトに支払っている。1年前はこの影響がなかったのだ。
ディスプレイ広告は好調
今回の決算の明るい材料は、画像や映像などを表示するディスプレー広告の実質売上高が5億6700万ドルとなって前の年から16%増えたこと。
同社はネットサービスとディスプレー広告に集中する体制に移行しつつあり、そのために不採算事業から撤退したり、人員削減を行ったりしている。今回の決算発表の直前にも全従業員の1%に当たる約140人を削減すると発表した。
こうしてコスト削減策を打ち出したり、まずまずの決算を発表したヤフーだが、それでも同社株は売られた。同時に発表した1~3月期の業績予想が市場の予想を下回ったからだ。
これは米グーグルやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手の米フェイスブック(Facebook)などとの競争が激化しており、ヤフーがいまだ模索中であることを示していると米欧のメディアが報じている。
ヤフーのシェアが低下
米国の調査会社イーマーケターによると、2010年における米国ディスプレー広告市場のヤフーのシェアは前年の16.5%から16.2%に低下した。
一方でグーグルのシェアは4.7%から13.4%へと急伸。フェイスブックも7.3%から13.6%へと大きく伸びている。