欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会(EC)は2月18日、米マイクロソフトと米ヤフーによる検索事業の提携を承認すると発表した。既に米司法省も承認しており、これで世界の主要市場で両社の検索事業を統合できるようになった。
グーグルに対抗できる事業へ
この提携案は2009年7月に発表された。契約期間10年の提携だ。ヤフーは同社の検索技術をマイクロソフトにライセンス供与し、マイクロソフトは自社の検索エンジン「Bing(ビング)」にその技術を導入する。
マイクロソフトはヤフーの検索担当の従業員400人も雇い入れる。そしてヤフーは検索サービスと検索連動広告サービスをマイクロソフトにアウトソーシングする。
最初の5年間、ヤフーのサイトとその関連サイトから得られる検索収益の12%をマイクロソフトが受け取り、残りの88%をヤフーが得る、というものだ。
これによりヤフーは安定的な収益の確保とコスト削減が図れる。マイクロソフトは事実上ヤフーの検索事業を手に入れたことになり、自社の収益源の分散化が図れる。体制を強化し、グーグルに対抗できる事業に発展させていきたい考えだ。
バルマー氏、2年間の努力が結実
このことはマイクロソフトにとって、ヤフーの買収という2年前の念願が別の形でかなったことを意味する。
マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)がヤフーに対し総額446億ドルの買収を提案したのは2008年の2月。バルマー氏の狙いはヤフーの広告と検索事業だ。しかしヤフー創業者で当時のCEOだったジェリー・ヤン氏がこれを頑なに拒否した。バルマー氏は幾度となく説得を試み、買収額の上積みなども提案したが、結局その年の5月に断念した。