両国の間は現在、トラックの相互乗り入れが認められていないため、タイからミャンマーに物資を輸送する時には国境でトラックからトラックへコンテナごと積み替えなければならない。

 しかし、実験ではコンテナとそれを載せる車台(シャーシ)はタイ企業のものをそのまま使い、トラックのヘッド部分だけミャンマー企業のものに付け替えてミャンマーに入国。

 積み替えた場合とコストや手間を比較・分析し、運輸省に認可してくれるよう働きかけているのだ。

 さらに、現地のパートナー企業に委託するのではなく、倉庫やトラックなどのアセットを自社で整え、通関から運送まで内製化することによって、一連のプロセスの管理を徹底し、スピードと質の両方を確保できることも同社の強みだ。

 大善本社とも密に連絡を取り合い、決定のスピードも早い。

 「臨機応変に小回りの利く対応を評価してくれる日系企業と、日本国内の取引関係やブランド力に左右されず企業力を判断してくれる非日系企業を両方をターゲットに、ニーズを掘り起こしていくつもりです」と宣言する智昭さん。

 このの力強い言葉を受けて、尭昭さんも「モノをただ輸送するだけではなく、より良いやり方を顧客に提案・提供できるソリューションプロバイダーになりたい」と意気込む。

 福島から世界に飛び出した兄弟が、ここティラワからミャンマーの物流業にどんな変革の風を巻き起こしていくのか。その挑戦の先には大きな可能性が広がっている。