米アマゾン・ドットコムは先ごろ、有料会員プログラム「Amazon Prime」の米国年会費を、約2割引き上げ、119ドルにすると発表した。すでに新規加入者の年会費は、この金額に引き上げられている。また、既存会員は、6月16日の更新から新料金が適用される。
これにより、多くの既存会員が、Primeをやめてしまう可能性があると、指摘する人もいる。しかし、米JPモルガンのアナリストによると、Primeは119ドルになっても、それをはるかに上回る価値があるのだという。
JPモルガン、有料サービスを基に試算
JPモルガンのレポートを引用して報じた、米ビジネス・インサイダーの記事は、「(Prime会員は)、その実質的な価格の、ほんの一部を支払っているにすぎないようだ」と伝えている。
これは、アマゾンがPrime会員に提供している各種の特典と、アマゾンや他社が提供している同様の有料サービスとを比較し、Prime特典が本来ならば、どのくらいの料金で提供されるものかを試算したもの。
JPモルガンは、前述した119ドルというPrimeの新料金に対し、実際は784ドルと、約6.6倍の価値があると、指摘している。
「Prime Music」だけでも年間60ドル相当
例えば、会員向けの音楽聴き放題特典「Prime Music」を見てみる。
アップルやグーグル、スポティファイなど他社の定額制音楽聴き放題サービスの米国における月額料金は9.99ドルだ。アマゾンも「Amazon Music Unlimited」という同様のサービスを、非Prime会員に月額9.99ドルで提供している。