財政難の米郵政公社、ファッション業界に進出

米カリフォルニア(California)州ロサンゼルスで、速達便を届ける米郵政公社(USPS)の配達員(2013年2月6日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Kevork Djansezian〔AFPBB News

 エッ、まだ民営化されていない――。

 そんな声が聞こえてきそうなのが、米郵政公社(USPS:以下「米郵便局」)である。

 米国だからこそ、民間でできることは民営化するという動きがあるかに思えるが、米郵便局だけは今でも連邦政府によって運営されている。

累積損失は約7兆円

 しかも赤字が膨らんでいる。過去10年の累積損失は650億ドル(約7兆円)である。

 過去、債務不履行に陥ったこともある組織だが、いまだに民営化の道筋を辿れていない。

 日本が郵政民営化を行って日本郵政グループを発足させたのは2007年のことである。諸外国をみても、1995年のドイツをはじめ、オランダ、ベルギー、オーストリア、英国なども郵便事業を民営化させてきた。

 なぜ米国だけ民営化できないのか。

 その前に、記憶に新しいドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)の米郵便局擁護の発言を振り返りたい。昨年12月、トランプはこうツイートした。