今や5億8300万人もの登録ユーザーがいる世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック(Facebook)」。
米国では創業者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)がタイム誌の「今年の人(パーソン・オブ・ザ・イヤー)」に選ばれたり、同氏を描いた映画が公開されるなど、1つの“現象”とまで言われるようになった。
このサービスが、世界で最もインターネットが普及している国の1つ、日本ではなぜか人気が出ない――。
米ニューヨーク・タイムズが1月9日付の記事でそう報じている。これによると、日本におけるフェイスブックのユーザー数はわずか200万人弱。
これは日本のインターネットユーザーの2%弱にすぎない。一方米国ではネットユーザーの60%がフェイスブックを利用している。
ユーザー数は国内大手の10分の1以下
日本では「ミクシィ(mixi)」「グリー(GREE)」「モバゲータウン」といったSNSに人気があり、それぞれ2000万人強のユーザーを抱えている。このうちミクシィとグリーは2004年に、モバゲータウンは2006年にサービスを開始。
フェイスブックも2008年に日本語版サービスを始めているが、いまだユーザー数がこれら国内大手の10分の1以下にとどまっている。
ニューヨーク・タイムズはこの状況について、フェイスブックの実名主義という特徴が要因なのではないかと指摘している。
米国ではSNSは実生活の交流をネット上で再現するものとして捉えられているが、日本におけるSNSは、匿名性が要素になっていると伝えている。日本のネットユーザーは、たとえ人気のあるブロガーであってもニックネームなどを用いており、本名を公表しないことが多い。