米タイム誌が「今年の人(パーソン・オブ・ザ・イヤー)」にSNS最大手、米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)を選んだ。同氏は弱冠26歳。この年齢は、1927年に第1回の「今年の人」に選ばれた米国の飛行家チャールズ・リンドバーグ(当時25歳)に次ぐ若さだ。
「アサンジ容疑者とザッカーバーグ氏は表裏一体」
選考理由は「情報交換の新たな仕組みをつくり、世界5億人以上の人々をつなげた。フェイスブックは我々の生活に不可欠なものとなった」というものだが、実は読者投票では、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」創設者のジュリアン・アサンジ容疑者が1位で、ザッカーバーグ氏は10位だった。「今年の人」はタイム誌の編集部が決定するもので、今回は最終的にザッカーバーグ氏を選び、アサンジ容疑者を次点にした。
しかしこのことで、ネット上でちょっとした議論が巻き起こっている。「フェイスブックは6年前からあるサービスで、この2010年に大きな功績を残したわけではない。今年世界を変えたと言えるのはアサンジのはずだ」という不満が広がっているのだ。
タイム誌もこうした反発を予測していたようで、ザッカーバーグ氏とアサンジ容疑者は「同じコインの表裏」とし、次のようなコメントを添えている。
「アサンジ氏は、情報公開を強行して、巨大組織や政府の力を奪おうとしている。一方ザッカーバーグ氏は、自発的な情報共有を促し、人々に力を与えている」
「アサンジ氏は世界が現実と仮想の敵で埋め尽くされていると考え、ザッカーバーグ氏は世界にはコミュニケーションの可能性が広がっていると考えている」