かつて、米アップルは、iPhoneの新モデル発売直後、その初日の予約注文台数や、最初の週末の販売台数を公表していた。しかし、「iPhone 6s」シリーズを市場投入した2015年から、同社はそうした数値を公表していない。
つまり、今年(2017年)発売した「iPhone 8」シリーズと「iPhone X」の、この年末商戦における販売状況を知るには、来年1月の決算発表で明らかにされるシリーズ全体の販売台数から推測しなければならない。
(参考・関連記事)「アップル、『iPhone X』に注文殺到か」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51498
米国では精彩を欠く結果
そうした中、米国の市場調査会社CIRP(コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ)が、このほど、同国のiPhone購入者300人を対象にアンケート調査を行い、その結果を米ウォールストリート・ジャーナルが報じた。
それによると、iPhone Xが発売されてから1カ月がたった、12月3日までのiPhone 8シリーズとiPhone Xを合わせた全iPhone購入台数に占める比率は69%だった。内訳はiPhone 8シリーズが39%、iPhone Xが30%だ。
この数値は、ここ数年における新モデルそれぞれの比率と比較し、精彩を欠くものだと、ウォールストリート・ジャーナルは指摘している。
例えば、昨年発売した「iPhone 7」シリーズの発売後1カ月間の、全iPhone購入台数に占める比率は73%。2015年に発売した「iPhone 6s」シリーズでは、71%だった。そして、画面サイズを大型化して発売した2014年の「iPhone 6」シリーズでは、実に91%に上った。
前述したとおり、これらは、あくまでも米国のiPhone購入者に対して行ったアンケートの結果であり、毎年、その分母となる調査対象者は異なる。
このため、このデータが信頼できるものであるかどうかは分からない。しかし、アナリストの中には、10周年モデルとして市場投入されたiPhone Xについて、「少し期待外れだ」と感想を漏らす人もいるという。