英国の市場調査会社、カンター・ワールドパネルがまとめた、今年(2017年)8~10月におけるスマートフォン世界販売統計によると、米アップルの「iPhone」は、その販売台数シェアが、米国や日本、欧州などの世界主要市場で軒並み縮小した。
Androidのシェア、さらに拡大
これに加え、米マイクロソフトの「Windows」を搭載するスマートフォンは、シェア縮小の一途をたどっている。その一方で、米グーグルの「Android」を搭載する製品はシェアを伸ばした。
例えば、Androidのシェアは、米国で1年前から8.2ポイント拡大し、66.2%となった。これに対し、iPhoneは、同7.6ポイント縮小し、32.9%。一方、Windowsは同0.7ポイント縮小し、わずか0.5%にとどまった。
日本は、iPhoneのシェアが著しく高い市場として知られている。しかしここでもiPhoneは、1年前から6.9ポイント縮小し、そのシェアは44.8%に落ち込んだ。これに対し、日本におけるAndroidのシェアは、同7.5ポイント拡大し、55%となった。
iPhone X発売前の様子見でシェア縮小
アップルはiPhoneの2017年モデルとして、「iPhone 8」と「同8 Plus」を同年9月22日に、「iPhone X」を11月3日に発売した。つまり、この統計(2017年8~10月)に反映されているiPhoneの2017年モデルは、iPhone 8シリーズのみ。この時点では、iPhone Xはまだ市場に登場しておらず、これがアップルのシェアに大きな影響を及ぼしたと、カンター・ワールドパネルは分析している。
iPhoneのシェアは、欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインの合計)でも1年前から2.1ポイント縮小しているが、これら世界市場における落ち込みは、決して小さなものではないという。