アップル、中国配車アプリに1100億円出資

中国浙江省の杭州で、スマートフォン(多機能携帯電話)の画面に表示された「滴滴」などの配車アプリ(2015年2月14日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 中国のIT企業が手がける新サービスが次々に日本に上陸している。中国は社会インフラが十分に整っていなかった分、逆にIT化をスムーズに進めることができる。皮肉にも共産党による独裁国家という特殊な政治体制がこうした状況を後押ししている。日本勢はビジネスのスピード感について価値観の転換が必要かもしれない。

配車アプリや自転車シェアリングが続々と上陸

 国内タクシー大手の第一交通は今年(2017年)11月、中国のライドシェア大手であるディディチューシン(滴滴出行)との提携について明らかにした。東京や大阪など大都市圏でのサービスについて具体的な検討を進めているという。滴滴が提供する配車アプリの登録者数は約4億4000万人に達する。配車アプリではもっとも有名な米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)の中国事業も買収しており、同社は世界最大級のライドシェア事業者といってよい。

 本国ではウーバーと同様、タクシーではない車両も配車されてくるが、日本ではタクシー以外の車両が有料サービスを提供することは禁止されている。このため滴滴も日本国内ではタクシーの配車に限定する見通しだという。今のところ主な利用者として想定されているのは中国人観光客だが、滴滴はソフトバンクグループが出資している企業でもある。状況次第では、日本人向けにサービス拡充する可能性は十分にあるとみてよいだろう。

 自転車のシェアリングサービスも日本進出を果たした。北京を本拠地とする中国の自転車シェアリングサービスであるモバイク(摩拝単車)も今年8月から札幌でサービスをスタートさせている。