フェイスブックが検閲機能を開発 中国再参入を視野に 米紙

中国・北京の上空からの景色をバックにフェイスブックのロゴが映し出されたパソコンの画面(2012年5月16日撮影、資料写真)。(c)AFP/Ed Jones〔AFPBB News

 中国でそのソーシャルメディアが遮断されている米フェイスブックは、同国でのサービスを再開させるべく動き出したようだと、米メディアが伝えている。

ガバメント・リレーションズ部門でベテラン起用

 米ニューヨーク・タイムズによるとフェイスブックは現在、上海でオフィススペースを探している。その目的は、同社が2016年4月に立ち上げたハードウエア開発部門「Building 8」のスタッフを同国に配置すること。

 だが同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、かねて、その創業理念である「『世界をよりオープンに、よりつなげる』ことは、中国抜きでは実現できない」と述べており、おそらく同社の本当の狙いは、中国市場でのサービス再開だとニューヨーク・タイムズは伝えている。

 また、米ウォールストリート・ジャーナルは、フェイスブックが、米リンクトインの中国事業を担当していた、ウイリアム・シュアイ氏という人物を雇い入れたと報じている。シュアイ氏は今後、その実績を生かし、フェイスブックのガバメント・リレーションズ(中国の政府高官などと関係を築く)部門を率いていくという。

今も続く中国のネット規制

 中国政府は、政府に批判的なネット上の言論に対する規制を強めている。この規制の下、フェイスブックのサービスは2009年に同国で遮断された。

 また、同社の傘下には、写真共有サービスの「インスタグラム(Instagram)」があるが、米eマーケターによると、こちらも2014年に香港で起きた反政府デモ(いわゆる雨傘運動)の際に遮断された。