中国の大人気メッセージアプリ「微信」、海外進出に意欲

テンセントが開発したメッセージアプリ「微信(WeChat)」のロゴ。米系VCのIDGは2000年にいち早くテンセントやバイドゥに投資した。中国・上海で(2014年3月12日撮影)。(c)AFP/Peter PARKS〔AFPBB News

 これまで9回にわたり、中国ベンチャー市場の最前線をレポートしてきた。その巨大さ・ダイナミズムさが少しでも伝わっていれば幸いだ。

 今回からは、勃興する中国ベンチャー業界と「海外」との関係にフォーカスをあてようと思う。これまでの記事が、中国の「内」で起きていることだったとすると、これからご紹介するのは、中国の「外」、中国と海外の「間」で起きていることだ。そのなかで、日本企業、特に日系ベンチャーが、中国ベンチャー業界と、どう向き合ってきた・向き合おうとしているかもご紹介しようと思う。

 何度も繰り返しているように、日本は中国という巨大さ・混沌さからは「逃れられない」。だとするならば、うまい付き合い方を考えたほうが良いだろう。そのヒントになるような事例を紹介できればと考えている。

 具体的には、以下の4つのテーマに分けて話を進めていきたい。

(1)中国ベンチャー業界と海外の歴史
(2)中国を果敢に攻める海外ベンチャーたち
(3)中国ベンチャーから学ぶ海外ベンチャーたち
(4)From 中国 To 海外へ挑むベンチャーたち

 今回は、(1)「中国ベンチャー業界と海外の歴史」を振り返る。中国でITベンチャーが産声をあげた2000年頃まで時代を遡り、海外プレーヤーが中国ベンチャーとどう関わってきたか振り返りたい。まだ歴史と称するには日が浅く、判断の分かれることもままあるだろうが、ご容赦いただきたい。また、ここでは日系大企業の動きは割愛し、あえてベンチャー(その定義は感覚的なものだが・・・)の動向を追うことで、より大局を共有できればと思う。