選挙民の「トランプ離れ」で共和党は2州知事選で惨敗
ドナルド・トランプ米大統領がアジア歴訪を続けているなか、民主党ばかりか与党・共和党内からも「トランプは大統領としては失格だ」という厳しい声が上がっている。
選挙民のトランプ離れも顕著だ。11月8日、南部バージニア州、東部ニュージャージ州で行われた知事選で与党共和党は枕を並べて討ち死にした。
トランプ政権が発足して以来行われた5つの下院補選では、選挙区が共和党の伝統的な金城湯池ということもあって連勝。共和党の4勝1敗だった。ところが今回は共和党は勝てなかった。
「トランプに対する不信と不満がいよいよ票に表れてきた」(民主党選挙対策責任者)
「いよいよトランプのネガティブインパクトが選挙に影響を与え始めた。このままだと、来年の中間選挙で共和党は大負けする可能性が出てきた」(米主要紙選挙担当記者)
トランプに引導を渡した共和党エスタブリッシュメント
米政界に流れ出した「トランプ責任論」が飛び交う中で、「トランプ失格」を声高に唱えたのが、共和党保守本流の重鎮、ジョージ・H・W・ブッシュ第41代大統領(93)とジョージ・W・ブッシュ第43代大統領(71)の父子だ。
トランプ政権発足後、公には鳴りを潜めていた共和党保守本流エスタブリッシュメントの重鎮、大統領経験者からのトランプ批判は、今後党内外に相当のインパクトを与えそうだ。
アジア歴訪中の旅先でこれを知ったトランプ大統領は、「ワシントンに戻ったらコメントしよう。今何か反応するのは奴らの思う壺。俺は新聞の大見出しなど必要ない。奴らは見出しを欲しがっている」と吐き捨ているようにコメントしている。
大統領に代わってサラ・サンダース大統領報道官は「過去の人たちが何かのたまわっているようだが、言っている御仁はイラク侵攻という米外交史上、最大のミステークを犯した方じゃなかったかしら」と記者団に語っている。