「政治」に「宗教」、そして「野球」。

 お客様商売の現場では、この3つを話題にするのは避けた方がいい、と言われています。思想や好みがはっきり分かれ、対立しやすいこれらの話題は言い争いの元に成りやすく、話をまとめるのが難しいからです。

 とはいえ、いよいよ衆議院選挙の投開票日が10月22日に決定しました。悲しいことに、選挙があると売り上げが良くない弊書店。少しでも売り上げ向上に貢献できるように、今回は、政治や選挙にまつわる書籍をあえて紹介してみたいと思います。

自己マーケティングを意識してきた小池氏

希望の政治 都民ファーストの会講義録』(小池百合子編著、中公新書ラクレ刊)

 まずは、この新書に触れないわけにはいきません。

 民主党との選別合流など、今回の選挙の台風の目になっている希望の党。その党首である小池百合子・東京都知事が書いたのが、『希望の政治 都民ファーストの会講義録』(小池百合子編著、中公新書ラクレ刊)。

 こちらは、昨年に立ち上げた小池百合子政経塾「希望の塾」で塾生らを前に語った講義のエッセンスを一冊にまとめたものです。自らの政治家としての原点から、2017年度の東京都の予算、また都市デザインや東京の未来についてまで幅広いメニューになっています。さらに各章の終わりに、高野之夫・豊島区長や上山信一・慶應義塾大学総合政策学部教授といった行政のプロによる各種提言も織り込み、中身の濃い内容に仕上げています。