中国の大豆輸入量は日本の20倍に達する(写真はイメージ)

 1793年、清の乾隆帝は英国から貿易促進のために派遣されたジョージ・マカートニー伯爵に対して、中国は“地大物博”(領土が広く物が豊富)であるから、外国と交易する必要はないと言い放ったそうだ。

 そんな中国だが、モータリゼーションが進展する中で国内生産だけでは石油が足りなくなった。現在、約3億トン輸入している。ちなみに、日本の輸入量は約2億トン。

 石油の輸入は中国の対外戦略に大きな影響を及ぼしている。中東から中国までの輸送路を確保したい。南シナ海の領有を宣言したりインド洋に進出したりする背景には、石油を安全に運びたいとの思惑がある。ミャンマーやパキスタンに多額の援助を行って同盟国化しようとしていることも同様の理由である。

大豆の搾りかすが家畜飼料に

 そんな中国にとって、石油と同様に海外から大量に輸入するものが現れた。大豆である。現在、中国の大豆輸入量は6000万トンを上回り、世界で交易される大豆の6割にもなっている(図1)。日本の輸入量は約300万トン、中国の輸入量は食料輸入大国と言われる我が国の20倍にもなっている。

図1 大豆輸入量の推移(単位:100万トン、出典:FAO)