米ヤフーが大規模な人員削減を行う計画だと米欧の複数のメディアが報じている。米ウォールストリート・ジャーナルの12月14日付記事によると、全従業員1万4100人の約5%に当たる650人程度を削減する計画で、早ければ同日中にも対象者に通知するという。
2年間で3度目の削減
対象となるのは米国本社の従業員で、主にニュースやスポーツ、ファイナンスといったページやウェブメールサービスを手がける「プロダクツ」という部門。
この部門は米マイクロソフトでオンラインサービス部門のトップを務めていたブレイク・アービング氏が統括しており、4月に同部門の責任者に就いて以来同氏が合理化を進めてきた。
同社が大規模な人員削減を行うのはこの2年間で3度目。2008年には約1400人、2009年には約700人を削減している。先頃、全従業員を対象に10%の給与アップを行うと発表した米グーグルとは対照的だ。
グーグルの従業員数は1年前から3600人増えて2万3300人になったが、技術革新のためには優秀な人材が不可欠と、同社は雇用の拡大に努めている。
一方、ヤフーの場合はキャロル・バーツ最高経営責任者(CEO)指揮の下、数年にわたる経営改革計画を進行中だ。
検索エンジンをマイクロソフトに委託し、新興国市場ではヤフーブランドの認知度向上や次世代ネットユーザーの早期囲い込みを図っている。今回のリストラはそうした施策の一環で業務の合理化とコスト削減を狙っている。