「和える」代表取締役の矢島里佳氏(写真提供:和える、以下同)

 最近、日本の伝統産業に新しい風が吹き始めている。忘れ去られかけていた多くの産業に光が当たり、様々な新しい取組みがなされるようになっている。なぜなのだろうか?

(1)「地方創生」に伴い、各地方で地域資源の発掘とその情報発信を積極的に行うようになったこと

(2)2020年に向けインバウンドが拡大する中で、訪日外国人が魅力を世界に発信するようになったこと

(3)アニメ、漫画、ゲームをきっかけに日本に興味をもった世界の人びとが、ネットなどを通じて、日本文化を深掘りするようになったこと

など、様々な要因分析が可能だろう。

 しかし、最も大きな要因は、戦後の高度経済成長やバブル経済を経験していない、したがって、「舶来信仰」という“昭和の価値観”を持たない若い世代による“日本再発見”ではないだろうか。

 特に都市部の若い起業家層が、「外部視点」から、地方の伝統的な産業の価値や魅力を再発見し、それを現代的なセンスで製品化し提供するようになった点は、ここ数年の大きな特徴である。(1)(2)(3)が、その“追い風”となったことは言うまでもない。

 今回は、そうした取り組みを行う起業家層の代表格、「和える(aeru)」(東京都・西麻布)代表取締役の矢島里佳氏(29)にお話を伺った。