だから、「自分に適した会社に就職して自分にぴったりの仕事を与えてもらう」という受け身の姿勢ではなく、「どの会社に行こうとも、いずれ自分のしたいことが見つかったら、そのための努力を惜しまない」という前向きな姿勢でいたらいい。

 仕事というのは、与えられるばかりでなく、取りに行くもの。自分に合っていない仕事だと嘆くのではなく、自分に合った仕事を呼び込むこと。そう思えばいいんじゃないかな。

“天職”は仕事の外にあってもいい

 あと、仕事を自己実現の場所として考えすぎ。飯を食うためだと割り切るのも1つ。会社で給料に見合う仕事はこなしつつ、アフターファイブに生きるのも1つ。趣味でもよし、ボランティアでもよし。自分が本当にしたいことが、給料をもらえるようなことでないとしても、それが本当にやりたいことなら、それが君の“天職”。

 無給だけれども“天職”を続けるために、日中アルバイトをして稼ぐ気持ちで構わない。だって、世の中に本当に役立つことが、必ずしも金儲けにつながらないということなんて、よくあることなのだから。

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 まとめると、就職したら人生が決まってしまうなんて思い詰める必要はない。

 就職した後でも、自分のやりたいことを呼び込むことは十分可能。

 もう1つは、仕事に過大に期待することをやめて、アフターファイブに自分のやりがいを見つけることもオーケー。趣味に生きたい、ボランティアで活躍したい、家庭を守りたい、友達を大切にしたい、1人でいたい。なんでもオーケー。仕事に求めず、仕事の外に生きがいを求める生き方もアリだよ──。

 そんな風に話をすると、大概の学生は気が軽くなるのか、就職活動を始める。

 しょせんは仕事でしかない。それくらいの割り切りがあってもよいと思う。それくらいに気を軽くすると、逆に見えてくることもあるものだ。