一方でイタリアは外国からの移民も多く受け入れており、その数は577万人(2011年)にも上ります。同図の右側はイタリアに暮らす移民の出身国別構成比ですが、最多数はルーマニアからの移民です。互いにラテン系欧州国ということで、親近感があるからではないでしょうか。
そんな中、移民受け入れに関しては近年社会問題化しつつあり、治安の悪化やゴミ問題といった地域生活の秩序の乱れなど、さまざまな問題を抱えています。
また、北アフリカのモロッコやチュニジアから大勢がボートに乗ってイタリアの島に漂着してくる光景(ボートピープル) は、日本でも話題になりましたね。
毎日数百人という大量の移民がイタリアになだれ込んでくることで、どこの国で受け入れ、どう対処していくのか、欧州全体を巻き込んだ深刻な問題となって議論を呼んでいます。
(次回へ続く)
※本連載は大前研一さんの著作『大前研一ビジネスジャーナルNo.11』より日本の「地方創生」の課題について解説したものです。

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