突然ですが、皆さんは音を見たことがありますか?
こんなヒッカケから、今年のお正月は最先端の音楽の話題を平易にご紹介したいと思います。
「音楽に最先端があるか?」と問われれば、率直に1つに限定することはできないでしょう。流行の先端というのはありますが、流行るものは十分に陳腐化した古いものに限られます。
ここでお話するのは、原子、分子の挙動から人間の脳、ニューロン一つひとつの働きまで、人類の手にしているサイエンスの最先端を駆使して音楽のフロンティアを切り開く内容を、中学1年生でも分かる平易な形でお話してみようというものです。
1月22日、東京大学安田講堂で日本学術振興会の委嘱、東京大学の主催による「ひらめきときめきサイエンス 中学高校生のための管弦楽指揮講座」という行事が開かれます。
そこで扱う内容を、いくつかご紹介してみようという試みです。
「ひらめきときめき」は学術振興会が責任をもつ「科研費」科学研究費の成果を、中学・高校生の教育にもフィードバックしましょう、という趣旨で行うもので、本質的には私自身が原著で手がけたオリジナルの内容を子供にも分かるように教えます。
しかし、いきなり先端というのは無理な話で、仮に見世物をやったとしても、「面白かったね」で終わってしまい、次世代を担う子供たちの身につく教育にはなりません。
そこで、手始めに「皆さんは音を見たことがあるかな?」というところから始めるわけです。
皆さんは音を見たことがありますか?
君は音を見たか?!・・・波の可視化と計測システム
実際に教室で行うときには、トロンボーンという楽器を用います。生徒の中にトロンボーン専攻の音楽高校生がいるので、彼に吹いてもらうという考えです。
普通にトロンボーンを吹けば、当然音が鳴るわけですが、その音が目に見えるわけではない。
それを見ようというのなら、見えるようにしてやればいいでしょう。ということで、こんなものを作ってみました。