ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブック(Facebook)が新たなメッセージサービスを数カ月以内に始めると発表した。
これまでのメッセージ機能を拡充したもので、ユーザーの電子メールやインスタントメッセージング(IM)、携帯電話のテキストメッセージといったものを同社サービス内で1つのシステムに集約して提供する。
また同社は希望するユーザーのすべてに「@facebook.com」が付くメールアドレスを用意する。これによりフェイスブックはいよいよ米グーグルの領域に踏み込むことになると米ウォールストリート・ジャーナルなどのメディアが報じている。
フェイスブックの新サービスは、グーグルのウェブメールサービス「ジーメール(Gmail)」と直接競合すると見られているからだ。
ユーザーの滞在時間でグーグルに迫る
フェイスブックとグーグルはユーザーの滞在時間で競い合っている。1年前にグーグルの半分程度だったフェイスブックのユーザー滞在時間は、今ではグーグルに匹敵するほどまでになっている。
これによってもたらされるのは、サービス内に表示されるディスプレイ広告の収入増だ。
あるアナリストの試算によると、2010年におけるフェイスブックのディスプレー広告収益は16億ドルで、グーグルの10億ドルを上回る見通し。
グーグルの主力事業は検索連動型のテキスト広告だが、同社はディスプレー広告にも力を入れており、先頃年間25億ドルを達成できるめどが立ったと述べていた。
しかし今後ユーザーの滞在時間を巡る争奪戦が激しくなることから、グーグルがその目標を達成できない可能性が出てきた。