研修医の3割が「うつ」、米研究 医療の質への影響も

米国の病院で手術中にモニターを見つめる医学生〔AFPBB News

 東大医学部の研究不正が報じられている

 私も、知人から告発文を受け取った。そこには不正の詳細な内容が記されていた。何人かの基礎医学の教授にお見せしたが、「100%アウト」と口を揃えた。「周到にデータをいじっており、悪質だ」と言う方もいた。

 告発されているのは、4つの研究室から発表された11の論文である。告発文は、私のツイッター(@KamiMasahiro)で紹介しておいたので、興味のある方はご覧いただければと思う。

 告発された4つの研究室のうち、最も問題なのは門脇孝氏が主宰する糖尿病・代謝内科だ。2003年の「ネイチャー」から2013年の「ネイチャー」まで、7つの論文で不正を指摘された。

組織ぐるみの不正

 以上の事実は、門脇研究室では、長年にわたり、組織ぐるみで、不正が続いていたことを意味する(参考12)。

 実は、この構造は、2012年に発覚した東大分子生物学研究所の加藤茂明教授(当時)の研究室の研究不正と同じである。詳細を知りたい方は、ウィキペディアをご覧いただきたい。

 告発された門脇教授は前東大病院長、日本内科学会の理事長も務める大物だ。私は、彼が不正をしたとは思わない。そんなことをする必要がないからだ。ただ、講座のトップとして責任がある。果たして、どんな形で責任を取るのだろうか。

 前出の加藤氏は、部下から報告を聞き、即座に東大を辞した。そして、学会などすべての公職から引いた。