小学校、中学校、高校と18年間。人生の大部分を「学校」に縛られる社会に生きる私たち。その狭い学校社会でトラウマや嫌なことを抱えてしまうことも多いかと思います。そのほとんどは、時間が解決してくれるはずですが、いつまでも消化しきれずに大人になってからも日常に影を落としている、という方がいるのもまた事実でしょう。そこに着眼点を見出した著者の構想力には脱帽するしかありません。

 夏の暑さが続くこの季節。本書の後味の悪いラストと共に、人の持つ心の闇に震えながら、涼んでみて下さい。

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 今回は、同窓会をキーワードに3冊紹介しました。考えてみれば、大人になると同じ年齢だけで集まる機会はそうそうないもの。呼び捨てで成り立つ関係性は、社会人になればなるほど難しくなります。だからこそ気兼ねなく付き合える同級生の存在は、忙しい日常の中の、一服の清涼として、とてもありがたいものなのです。

 お盆を迎え、同窓会が多くなるであろう、これからの時期。飲み過ぎには注意しながら、旧交を温め、一冊の物語になりそうな素敵な思い出を作っていただきたいものです。

 もちろん、前掲のようなミステリーになってしまっては、困りますが・・・。