国連でイエメン問題を担当するアフメド特使は3月23日、「イエメンのハディ暫定政権とイスラム教シーア派武装組織『フーシ』が、4月10日から一時停戦することで合意し、4月18日からクウェートで和平協議を始める」と発表した。
サウジアラビアは「ハディ暫定大統領を支えるため」という名目で、イスラム教スンニ派諸国とともに2015年3月26日にイエメンへの軍事介入を始めた。それから1年経つが、フーシを撃退する作戦は手詰まりの状態に陥っている。
暫定政権側は昨年(2015年)7月に南部アデンを奪還したが、第3の都市タイズで激しい戦闘が続いており、首都サヌアはいまだにフーシが支配したままである。
国連によれば、軍事介入以降イエメンでは6000人以上が死亡し、このうち約半数は民間人である。また、約240万人が非難を余儀なくされ、2120万人(人口の8割超)が人道援助を必要としているという。欧州でサウジアラビアへの武器輸出に反感が広がるなど、国際社会の視線は厳しくなるばかりである。
2年連続の財政赤字でも軍事費は聖域のまま
イエメンへの軍事介入はサウジアラビアの財政にも大きな負担となっている。