「共和党団結させる」=11月の本選見据え-トランプ氏-米大統領選

米テネシー州ミリントンでの選挙集会で演説するドナルド・トランプ氏(2016年2月27日撮影、資料写真)。(c)AFP/Michael B. Thomas〔AFPBB News

 3月1日のスーパーチューズデーで米共和党のトランプ候補は11州のうち過半数で勝利をおさめ、同党の大統領候補に選出される可能性が高まった。

 知名度は高いものの選挙戦当初は「泡沫候補」とみなされていたトランプ氏が躍進している理由は「米国民の怒り」だと言われている。

 3月2日付ブルームバーグは「米国民は怒り心頭:トランプ氏善戦の陰には大恐慌以降の『最悪の景気回復』」と題する記事を発信した。全米の有権者は、1930年代の大恐慌以降で最悪の不況とその後の最も弱々しい回復を目の当たりにし、「貿易の影響で雇用が失われる」と猛然と攻撃するトランプ氏の主張に耳を傾けるようになったという。

 米国の製造業の就業者数は1999年末に1730万人を誇っていた。それが2015年末には1230万人に減少し、かつては30%を超えていた非農業部門の就業者数に占める割合も、現在では約9%となっている。その影響を最も受けたのは白人中年男性だとされている。

米国社会に蔓延している「恐怖」と「失望」

 世界的な言語学者であり、現代米国社会を厳しく批判しているマサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー名誉教授は2月25日、ハフィントンポスト米国版とのインタビューで「米国社会に深く根ざした『恐怖』と『失望』がトランプ旋風を巻き起こしており、低学歴の白人中年世代で死亡率が急上昇していることが関係している」と述べた。