以前のコラム「3Dプリンターこそが離島防衛の死命を決する」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43559)で、米軍が百億円単位の投資で3Dプリンターの軍事転用を進め、ミサイルのジェットエンジンを作るところにまで来ていることをお伝えしました。ここに来て、ますますその傾向は強まっています。国防総省の2017年度予算案には、「3Dプリンターによるマイクロ無人機」開発が盛り込まれ、B-52爆撃機の補修部品製造用にも空軍基地で3Dプリンターが活用されています。
今や、そうした動きは中国、ロシア、韓国などでも広がっており、次期主力戦車や戦闘機の部品を製造するまでに至っています。
ロシア軍、3Dプリンターで新型戦車の部品を作る
ロシアの次期主力戦車開発のための試作戦車「T-14アルマータ」。この戦車の試作生産には、3Dプリンターが大きな役割を果たしたといいます。ロシア軍の装甲車両を生産するエレキトロマシナJSC社の高速試作ラボマネージャーのアントン・ウルリク氏はこう語ります。
「2015年以降、金型などの原型や、金属・プラスチック部品を制作するために3Dプリンターを使っている。近い将来、数メートルのチタン合金の装甲パーツも3Dプリンターで作る予定だ。