2015年12月、日本専門医機構は「専門医」研修に取り組む基幹病院からの「研修プログラム」申請受付を開始しました。この“新専門医”制度は2017年4月からのスタートとなります。
クリニックレベルでは、専門医がいる医療機関を探して受診される方はほとんどいません。各学会の“専門医”が乱立している現状においては、医療を利用する方々は専門医の有無よりも“口コミ”の方を重視していると思われます。
今回の新専門医制度がスタートすると、専門医の研修場所と養成数が制限されます。各学会の“専門医”が乱立している現状を打破するためにも、より良い専門医を養成するために条件が厳しくなるのは基本的に良いことだとは思います。
その一方で、大学病院をはじめ、大規模病院に専門医を目指す医師が集中し、指導医のいない地域の中小病院の医師不足が進むことが懸念されています。
医師の現役期間は30年間以上あることを考えると、専門医を取得するまでよりも、取得後の研修の方が、医療の質を担保する上では重要なはずです。詳細が決まるのはこれからですが、新しい専門医制度への移行の際には、「専門医取得後の研修」と「専門医同士の相互チェック」を取り入れたものになることを期待します。また、そうすることにより、指導医のいない病院の医師不足への影響も少なくなるはずです。